今年は ちょっと遅めの 新年
料理人の時間軸は 既に 節分
お膳に白梅 金銀で飾られた柊
睦月より春を感じさせる 趣向に 身体も温まる気がする
土筆 菜の花 木の芽
盆栽の世界のように お膳の上に広がる 小宇宙
ひとつひとつ しっかり仕込みされた 安定感
梅柄の 器 椀の手前の柄は
相方に楽しんでもらう為の意図された レイアウト
薄氷を想わせる餅が 正月の名残
淡雪のように 瞬く間に溶けゆく マグロ
対する存在感 タイ
このあと 小さなサイコロ状のカラスミが
ふんだんに散りばめられた一品が続き
木の芽とアスパラがふんだんに 添えられた
甘さ控えめの 赤身肉すき焼き鍋が続き
国旗柄の 波打つ器に 上品に立体的に盛られた
焼き物 マナガツオ そして
蒸し物
コントラスト和らげな 萌葱色の 濃淡
なのに クッキリ 木の芽のアクセントが視覚も刺激する
屹立する 岩石庭園を想わせる 盛り付け
この日の デザートは 紅白のきんとん
中身は 柑橘系の餡
椿を想像させる 彩
ひとときの 幸せへの感謝と共に
穏やかな1年でありますように